2013年2月4日月曜日

『折れやすい部下の叱り方』

渡部卓(2012)『折れやすい部下の叱り方』日本経済新聞社


<きっかけ>
・新しい外国人部下が入社してくる。
・タイトルが素朴すぎて、新しい知見を手に入れられない気がしなくもないが、大きな新聞社が出している書籍なので、信頼できるだろうと思った。


<読む前に期待したこと>
・今は、「決め付けずにまず話を聞く」「心情に同調する」ことを意識して行っているのだが、それを裏付ける内容を見つけることができる。また、それ以外に何か気をつけることがないかがわかる。
・実務で使えそうな表現があれば英語にしてストックする。


<実際に読んでみて>
・「決め付けずにまず話を聞く」は見つかった

□優秀なマネージャーは皆「聴く力」を持つ”カウンセラー”である(pp19~23)
□叱りにくいなら、話を聴こう(pp29)
□最上の叱り方とは「傾聴」である(pp64~68)


・「心情に同情する」も見つかった(pp48)

・英訳してストックしたいことも見つかった(pp71~76)。下記にまとめる。


□同意を示す

※営業ノルマがきついと不満をこぼす部下に
「ほんとうに、きついだろうね。確かにきついのは分かっているよ」
(英訳案)"Exactly. It really is a hard quota, I know. I feel sympathy for your increasing quota."


※書類提出が締め切りより遅れた部下に
「そうだね。時間がなかっただろうね。もっと前に頼むべきだったね。今回だったら、何日前に頼めばよかったかな?」
(英訳案)"Right, you didn't have time to prepare. I should have asked you to do that earlier than actual. In this case, it would be helpful if you could let me know when I should have asked you to do that. When do you think was the best timing for this?"


※会議中に発言せず、居眠りをする部下に
「あの会議さ、確かにもうちょっと短くしたいよね。どう思う?」
(英訳案)"It would be better if we could make that meeting time short from next time. How do you think about this idea?"


※会議への不満に論点をずらし、会議への貢献をしない部下に
「みんなが自分の利益を主張し合ってゆずらないというのは、問題だと思う。君も間に入って大変だろうね。会議の数も、実際、減らしたほうがいいかもしれない。でも、セクション間の情報共有は必要だよね。どうしたらいいかな?」
(英訳案)"I'm also aware that there is a problem with the organization if every section pursues their own interests. You may be faced with the difficulties as the middle management. Your idea to reduce the flequency of the meetings has a point. But it is important for us to share the information with other sections. How do we keep its balance?"


※パワハラに近い叱り方をする部下に
「Aさんは腹が立って当然だと思います。誰かがB君を叱らないといけないから、その役をAさんが引き受けてくれているんですね」
(英訳案)"It is natural for A-san to be angry. I understand A-san is reluctantly playing a role to scold B-kun."


※報連相をせずに勝手に仕事を進めてしまう部下にたいして
「なるほど。いちいち上の了承を待たなくてはいけないのは、現場としてはやりにくいよね。おれも、もどかしいと思うことがあるよ。会社として、もっとスピーディーに意思決定していく必要があるよね」
(英訳案)”I see. Now I understand it is hard for your side to wait for the boss to approve your proposal. I sometimes feel the same as you feel. From the perspective of the smoothness of the operation, it is important for us to go forward faster about the decision making.”




<その他>
・この本を読む際の問題意識とは異なるが、下記の話(pp20-21)を読んで、思うことがあった。

『尾木ママの「叱らない」子育て論』という本を書いている教育評論家の尾木直樹氏は、中学校の先生をしていたときに、「どうしたの先生」と生徒から呼ばれていたそうです。NHKの「ホリデーインタビュー」という番組で放送された話です。生徒が悪さをしていても叱りつけずに、いつでも、「どうしたの?」と尋ねることからつけられたニックネームです。「どうしたの?」という言葉は詰問ではなく、「受容」――受け入れようという心から出てきた「魔法のコトバ」なのです。

あるとき、生徒が教室の窓ガラスをモップでやけになって割りまくっている場面に遭遇し、尾木さんが、「どうしたの?」と口に出して歩み寄ると、生徒のほうから理由を説明し始めました。朝、母親と喧嘩してイライラしてそれでも学校に遅れないよう懸命に急いで来たが、学校の正門で生活指導の先生から怒られたとのこと。

「そりゃあ、大変だったねぇ」と相槌をうち共感すると、割れた破片をかき集め、掃除を始めたという話でした。「先生、中三にもなってこんなことをしてたら恥ずかしいですよね」と応えて、尾木さんが「手伝おうか」と言うと、「先生、いいっすよ。怪我しますよ」と気づかいまでしてくれたといいます。


尾木氏の献身的な活動には感服するし、自分が中学生のときに、頭ごなしに決め付けて叱らないで、話をきいてくれる先生がもっといたらとも思う。私もたくさん悔しい思いをしたほうの側だ。こういった「どうしたの?」と話をきいてくれる先生や上司がどんどん増えたほうがよいという意見に、私は賛成する。

ただ一方で、頭ごなしに決め付けて、それこそ無慈悲に叱責する先生や上司も、人生のどこかで遭遇するのではないかとも思う。経験的には、絶望的なくらい誰にも避けられないことだと思う。

したがって、世の中全体の効用を増加させるには、上司や先生向けに、「部下や生徒の話を聴きましょう」と説くことも大切な役割だとは思うが、一方で部下や生徒向けに「一方的にしか話さない上司や先生と、どうやって折り合いをつけていくか」という覚悟というか技術を説くことも大切なのではないかと思う。むしろ絶対数で言えば、部下や生徒の数のほうが多いので、こちらのほうが需要が多いのではないかと思う。

少なくとも私は、自分が上司になったときに、話を粘り強く聞く人でありたいと思うと同時に、それだけでなく、部下が異動や転職したとき、新天地でその部下が上司とうまく折り合いがつけられる武器を配っていきたいと思う。サウイフモノニワタシハナリタイ。



・日本語の「どうしたの?」は何と英訳するのか迷う。そのまま素直に考えれば"What are you doing?"だが、少し詰問調な感じがする。"What made you do so?"かとも考えたが、これは「なぜ?」と理由を聞いているみたいだ。"What happened to you?"も、論点がすこしずれた感じがする。"What's up?"はぶっきらぼうな感じがする。"May I help you?"が同じ目線で話している感じがするが、なんか慇懃無礼な感じもする。継続してフォローしようと思う。




本日の配当

■アウトプット 12時間
■投資 4時間5分
経費 30分
■空費 1時間25分

計 18時間



投資の内訳


■英語 1時間45分
■読書 1時間25分
■中小企業診断士 55分
計 4時間5分


英語は、新聞購読と要約作成。中小企業診断士は、問題集横串(企業経営理論:ブランド戦略)。






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