2016年1月6日水曜日

『トップM&Aアドバイザーが初めて明かす中小企業M&A 34の真実』

藤井一郎(2013)『トップM&Aアドバイザーが初めて明かす中小企業M&A 34の真実』東洋経済新報社


<きっかけ>
・M&Aと名のつく日本語資料をできるだけたくさん読んでおこうと思ったため。


<読む前に期待したこと>
・企業価値算定において、ネガティブ要因となる項目を知る。
・また、どのような調査を行うことで、ネガティブ要因を正しく見つけられるかを知る。
・その他、企業価値算定に必要な知識を学ぶ。


<実際に読んでみて>
・M&Aは、ある一時点を見ると、買い手が多く、1年以上かけて売却活動をする会社はあまりない(pp39)とある。ということは、「いつから会社の売却を検討し始めたか」という質問をすることで、売却対象としての魅力が測れると気づいた。

・フロー型ビジネスであったり、規模のメリットがなかったり、市場が縮小していて利益率が低いといった特徴を一つでも満たす業種は売り手として人気がないとある(pp45)。ということは、これらの特徴を反映させることで適切な価格を算定できるはず。

・企業価値評価の方法は、①コストアプローチ、②インカムアプローチ、③マーケットアプローチの3つがあるとのこと(pp47)。インカムアプローチの代表例がDCF法ですが、DCF法は中小企業のM&A実務では使われることはまれで、「時価純資産額+営業権」という、3つのアプローチの組み合わせを使うことが多いとある(pp47-50)。

・「どういう会社が売りやすいか」(pp72)と記載がある。
○権限委譲が進んでおり、オーナー社長が抜けても業績に与える影響が限定的
○社内にノウハウが蓄積していて組織的に仕事をしている
○決算数値が信頼でき(簿外債務がなく)経営管理がしっかりしている
○コンプライアンス上の問題がない

逆に言えば、これらに心配があることを指摘して買収価格を下げるように交渉をすることができると読めました。

・儲かっているオーナー企業は、生命保険等で節税対策をしていたり、過大な役員報酬を取っている可能性があり、利益をあえて圧縮しているケースがあるとある(pp75)。実質的な利益を考えて企業価値の算定をする必要がある。

・買い手は、デューデリジェンスの前に1-3ヶ月程度の独占交渉権を要求するのが普通(pp128)。

・買収後の本社の場所も交渉の論点となる(pp131)。

・デューデリジェンスで指摘されたリスクが本当に本質的かつ重要なものなのかを一つ一つ買い手自身が見極める必要がある(pp140)。指摘項目の分類ができる経験を積みたいと思った。


<その他>
・仲介会社は、M&Aで「売り手ありき」で買い手を探している(pp149)。

・仲介会社は、交渉の仲介を行うのに対して、アドバイザーは、売り手か買い手のどちらかの立場に立って顧客の利益の最大化を図る(pp151)

・仲介者とアドバイザーのインセンティブの記載があります(pp172-173)。無駄な経費を使わないためにも、これは覚えておきたいです。ごりらが買い手でアドバイザーを雇うなら、成功報酬を割合を高め、かつ、成功報酬の金額は直線の一次関数ではなく、買収価格が希望通りのレンジに収まれば、浮いた分を成功報酬に転嫁させるぼこぼこした直線の報酬表を作りたいと考えています。ということは、なるべく早い時間で企業価値のレンジを計算して、アドバイザーとの料金の交渉を行う必要があると思います。

・買収先の顧問会計士のインセンティブも考えておく必要がある(pp181-182)。






今日のインプット

■読書 45分


読書は、拾い読みとまとめ作成。

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