2016年2月7日日曜日

(111)「おまえの友人は何者だ」


「おまえの友人は何者だ」と首領がたずねた。
「錬金術師です」と錬金術師は言った。「彼は自然の力を理解しています。そして、彼は自分のすごい力を、みなさんにお見せしたいと言っています」
少年は黙って聞いていた。そして、恐れていた。
「ここでよそ者が何をしているのだ?」ともう一人の男が聞いた。
「彼は、あなた方にお金をさしあげるために持ってきました」少年が一言も言わないうちに、錬金術師が言った。そして、少年のかばんをつかむと、錬金術師は金貨を首領にさし出した。
アラブ人は黙ってそれを受け取った。それは武器が十分に買える額だった。
「錬金術師とはいったい何なのか?」と彼は聞いた。
「自然と世界を理解している男のことです。彼はその気になれば、風の力でこの野営地を破壊することもできます」
男たちは笑った。



パウロ・コエーリョ著;山川絋矢・山川亜希子訳(1994)『アルケミスト ー 夢を旅した少年』地湧社、pp168



恐怖で何もいえない少年とは対照的に、錬金術師は部族の質問にすらすらと答えていきます。錬金術師は、少年こそが錬金術師であると部族に説明します。さらに、少年は自分を風に変えることができるとまで吹聴し、少年がクリスタル商人のところで稼いだ金貨を部族に渡してしまいます。初めてこの箇所を読んだとき、誤植ではないかと思いました。自殺行為にも等しいこれらの自暴自棄な行動は、実は錬金術師の作戦があることが後でわかります。このシーンだけ、錬金術師の役を映画でやってみたいです。





今日のインプット

なし

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