2016年4月14日木曜日

何に期待して仕事するか

日本本社へのうらみつらみを書いた昨日の記事の続きです。でも、ちょっと待てよ、と思い直しました。このパターンどこかであったぞ。


小学生のとき
「一人で全部の科目を教えることができるなんて、小学校の先生はすごい。先生って、選ばれた僅かな人間しかなれない職業なんだな。そんな人から教えを請うことができるんだ」

(しばらくして)

「僕は確かにごりらに似ているけど、動物じゃないんだから話せばわかるのに、暴力を振るう先生がいる。らいおん君とパンダちゃんだけなんか先生から優遇されてる。授業も進行が遅すぎて退屈だ。学校の勉強は適当にして、ノートに漫画描いてよ。教科書の内容を漫画にしてれば、先生も怒らないだろう」


中学生のとき
「やっぱり、小学校より中学校の先生のほうが、道徳的にも優れている人間なんだろう。あと、それぞれの専門的に教える科目がある中学校の先生はすごいはず。一つの道を究めた人たちだからこそできる職業なんだな」

(しばらくして)

「先生の好き嫌いによる生徒への対応の違いがひどいし、先生の話し方に惻隠の情が感じられない。授業は教科書に書いてあることをまとめただけじゃんか。先生に、ちょっと教科書だけでは分からないことを突っ込んで聞いてみたら、逆に怒られたぞ。自分が知らないことは認めて、調べて教えてくれればいいのに。教科書に書いてあることしか先生が説明しないなら、自分で読めばいいよね。」

(しばらくして)

「興味のない数学と理科の成績が落ちたぞ。親も先生も勉強しろ勉強しろうるさい。でも、ちょっと真剣に勉強してみたら、学年で1番になれた。ごりらって天才なのかもしれない。しかも、成績がよければ、先生も親もうるさくない。そうか、自由に行動するには、テストの点数が高ければいいんだ。自由な時間は、漫画や本を読むぞ。」


高校生のとき
「自由闊達な校風で、大学受験を気にすることなく勉強できる校風って聞いてるけど、先生も生徒の自主性を重んじて、一芸に秀でた生徒達が好きなことに熱中できる3年間なんだろうな」

(しばらくして)

「授業は全然面白くないし、周りの生徒もナイスじゃない人ばっかり。これだったら受験進学校にいったほうが競争があって楽しかったよ。この高校出身者の大学での評価も先生が低いって言うし、大学受験しよっと」

(しばらくして)

「全然模試の偏差値が上がらないぞ。中学校までの勉強方法が通用しない。得意だった英語の偏差値が10.5だってさ。ごりらって頭こんなに悪かったんだ・・・。エスカレーターで行けた大学よりもランクの低い大学しかけそうにないぞ。ものすごい悔しいし、不本意だけど、今の学力で、自分が今知りたいと思っていることを学べる大学・学部を受験しよ。」


大学生のとき
「こんな超マイナーな学部学科に入ってくるなんて、よっぽど熱意のある人たちばかりなんだろう。面白い人たちと、演習の授業や飲み会を通じて面白い議論ができそうだ」

(しばらくして)

「周りのみんなは、まじめな人ばかりだけど何か退屈だな。アメリカの授業のように、講義で全然盛り上がらない。アウトプットができて、反応がダイレクトに返ってくる演習の授業だけは優がとれるようにがんばろう」


社会人になって
「人事部の人、みんな感じのいい人ばっかりだな。現場で困ったことがあったら遠慮なく連絡くださいだって。人事企画の課長なんか、自分の私用の携帯電話を教えてくれたぞ」

(しばらくして)

「課長も、ごりらが海外赴任をしたいって知っていて、最初の赴任地の希望をにこにこして聞いてくれたのに、なんで最初の赴任地が日本の現場なんだろう。うそつき! でも、サラリーマンでいる以上、どこで働くかは自分でコントロールできないことだから、日本にいる間に、関連する資格は取れるだけ取っておくことでビジネスの実務知識は持っておこう」

「新入社員のときにお世話になった人事部の人に残業時間の件で相談しようと電話したのに、折り返しの電話がこない。無責任だなあ。でも、人事の人も忙しいんだろうな。新人がみんな電話してきたら仕事にならないだろう。自分で調べて上司と交渉してみよう」 


海外赴任になって
「海外では外資系企業って扱いになるから、従業員も優秀な人ばかりで、先輩の駐在員も尊敬できる優秀な人なんだろうな。毎日が刺激的で、わくわくする経験ができるんだろうな」

(しばらくして)

「想像していたのと全然違うぞ。同じタイミングで赴任してきた人は2ヶ月で帰任しちゃった。こちらの会社の状況がわかっているのに、日本側は全然考慮してくれない。人事部も動きが遅すぎる。新入社員のときの人事企画課長の携帯に電話しても出てくれないぞ。そうか、会社なんて、ごりらが死ぬほど苦しい思いをしていることなんて、大して重く考えてないんだ。これから、転勤をするたびにこんな嫌な経験をする可能性なんて、いくらでもあるよね。自分が労働市場で誰にも負けない分野を見つけて、いつでも会社を辞められるくらいの稼ぐ力をつけなきゃな。若いうちに気づけてよかった」


もうお気づきでしょうか。


何かの権威が自分の道を保証してくれるはず――
自分が何かを学ぶ人間は、その分野について完璧な知識を持っている――
自分が希望したことは、誰かが影ながら支援してくれる――
自分が困ったときは、その状況を察してどこかの誰かが助けてくれるはず――
といった過度な期待がまずあり、その後、現実とのギャップにショックを受けます。しかしそのショックを契機として、自分で悩み考えた結果、やりたいこと始める、というパターンですべて成り立っています。この「期待→絶望→気づき→行動」のサイクルをずっとくり返してきたのです。


海外に出たことで、より一層高い立場の人間として日本の人事部と話すことになってやっと、自分が会社に対して高望みしていたことに気づいて、本来の(というよりは、将来ありうる厳しい状況での、と書いたほうが正確かもしれません)従業員と会社の関係を考えるようになったのです。


海外での日本本社とのやり取りが教えてくれたのは、「真剣な絶望から、明るい未来が生まれる」ということです。今度から、絶望するのをわくわくするして待つことができそうです。








今日のインプット

なし

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