2016年4月30日土曜日

一人で生きられぬのも芸のうち

『ゴルゴ13』、高校生のときから読んでました。『アカギ』は今も読んでます。手塚治虫先生の『ブラックジャック』も好きでした。ルパン三世(2NDシーズンのほうです)も、学校から帰って火曜日の17時からテレビで見るのを楽しみにしていました。最近では、森博嗣さんの小説に出てくる各務亜樹良がお気に入りです。


彼らがどうかっこいいのかを今になって考えてみると、集団をまとめるリーダーではなく、個人としてプロフェッショナルなんだと思います。ブラックジャックはピノコという助手、各務には保呂草がいますし、ルパン三世には次元や五右衛門といった相棒がいますが、それぞれは独立した仕事をすることもできます。


誰にも依存せず、
誰の束縛も受けず、
自分独自の哲学を持ち、
自分の技術のみで市場から報酬を得る。


若い頃、そんな生き方に憧れていました。ある程度分かっていたことですが、特定の資格をもっているわけでもない文系の学生であったごりらにそんな仕事が最初からできるわけもなく、社会人として働いてからチームの一員として、リーダーの指示を効率的に正確に、周りのメンバーと協力して遂行するのスキルが求められることになります。


ごりらにとって幸運だったのは、大学を卒業して正社員として仕事を始めてから、個人としてのプロフェッショナルではなく、リーダーとして尊敬できる人を周りに見つけることができたことです。彼らのようなリーダーになりたいと思えるロールモデルが見つかったのです。逆に、高い専門性を持っている人と一緒に仕事をする機会もありましたが、そういった人の中で、その高い専門性を、誰かを助けることや、変革を起こすことに使うことに費やす人はまれでした。専門性の高い人は会社にとって貴重なため、上司からのリクエストでいっぱいいっぱいなのでしょうが、下や横からの相談に対してあまりに冷たい人が多いように思いました。


リーダーであることは最強の実務担当者であったり、鉄の意思を持った超人である必要はないということも、自分の経験とロールモデルから学んだことです。リーダーは、業務フローの全てを知っている必要はなく、スタッフが困っていることを支援したり、決められたルールがその通りに進むように仕向けたり、他の部署との決め事に決着をつけたり、組織の方向性を示すのが仕事だと学びました。ごりらには最大で11名のスタッフが下にいましたが、彼らの職務記述書は理解していますが、それでも、実際の細かい手順は、彼らがいなければわかりません。


前に書いたことと矛盾したことを書いていると思われるかもしれませんが、ごりらは、自分が自分の部署で担当していることを、自分ひとりでできないことをまずいことだとは思っていません。むしろ誇りにすら思っています(一つの仕事を複数の人間ができる状態になっている、という前提です)。かつて、強いプロフェッショナル個人を志向していた自分が今の自分を見たら、びっくりすると思います。


自分一人では、何もできないし、何でも一人でしょいこむ必要はないのです。ただし、結果責任と説明責任は取ります。自分で全てやろうとしていた時期もあり、仕事量のコントロールされていた日本ではうまくいっていたときもありました。ただ、海外に出て、仕事量のコントロールは自分でしなければならないようになったとき、それは自分の心と体を大きく壊すことだと気づいたのです。そうなんです、


誰かに頼らなければ、全ての判断と全ての責任を自分で負わなければなりません。それは、小説や漫画で描かれるよりも、ずっと大変なことです。
誰にも関わらなければ、自分の人生を自分のためだけに生きることができます。そのかわり、自分の人生は、たった一つの物語だけで終わってしまいます。
自分自身の哲学はあっても、それを誰かに伝えて、理解されなければ誰も気づきません。現実の世界ではちょっと変わった行動をする程度にしか見られません。
自分の技術だけで、生きていける人はまれです。ごりらにはそれだけの技術はありません。それよりも、みんなで仕事して、みんなで失敗を悔しがり、みんなで成功を喜ぶほうがごりらはずっと楽しいです。


何も仕事にだけに限ったことではないと気がついたのもこのときからです。海外に出てから、割と昔の友達に困ったことや悩んでいることを相談するようになりました。昔は弱みを見せるのはあまり好きではなかったのですが、「自分は十分弱く、一人で自分の人生の全ての判断をするほど強くない」と痛感してから、積極的に行動し、多くの人の知恵を求めるようになりました。


中でも、大学時代からの友人で、ここではたぬきさんとしておきましょうか、たぬきさんには仕事のことやプライベートなことまで多くの相談に乗ってもらい、助言をもらえました。たぬきさんて本当にありがとう。ごりらが日本に無事に帰任できたのは、たぬきさんのおかげです。


とりあえず予告どおり、今日で海外駐在失敗談のカテゴリは終了です。明日からまたインプット中心の記事が続きます。





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