2016年5月1日日曜日

『知識創造企業』

野中郁次郎;竹内弘高共著、梅本勝博訳(1996)『知識創造企業』東洋経済新報社


<きっかけ>
・授業の教科書(英語)の日本語版があったため、内容を密輸入したい。
・知り合いが暗黙知について修士論文を書いているため、興味を持った。
・海外駐在から日本への帰任が決まり、自分の暗黙知をどうやって形式知として残すかをテーマにして考えていた。



<読む前に期待したこと>
・暗黙知とはどう定義するのかを知る。定義できないものは捉えることもできないし、形式知に変えることもできない。
・暗黙知を形式知に変換するプロセスを知り、実践する手がかりとする。



<実際に読んでみて>
◎暗黙知の定義・特徴について

・「(中略)日本企業はまったく違った知識感を持っている。言葉や数字で表現される知識は氷山の一角にすぎない、と考えるのである。知識は、基本的には目に見えにくく、表現しがたい、暗黙的なものだというのである。そのような暗黙知(tacit knowledge)は、非常に個人的なもので形式化しにくいので、他人に伝達して共有することは難しい。主観に基づく洞察、直観、勘が、この知識の範疇に含まれる。さらに暗黙知は、個人の行動、経験、理想、価値観、情念などにも深く根ざしている。」(pp8-9)

・ある物を定義するとき、反対の物をはっきりさせることで、それ自体を理解するのに助けになります。形式知と対比した暗黙知について記載がありました。


―暗黙知と形式知の対比(pp89)
    暗黙知     形式知
主観的な知(個人知) 客観的な知(組織知)
経験知(身体) 理性知(精神)
同時的な知(今ここにある知) 順序的な知(過去の知)
アナログな知(実務) デジタルな知(理論)



◎暗黙知を形式知に変換する
・暗黙知を形式知に変換する「表出化」の現場では、曖昧と冗長性のただなかで生まれた新しい暗黙知は、比喩による情報伝達が行われる結果、個人の知が他人にも共有される(pp15)。

・メタファーとアナロジー、モデルの順次使用により、表出化がスムーズに行われる(pp98)。その意味で、リーダーの豊かな比喩的言語や想像力は、プロジェクト・メンバーの暗黙知を引き出すための重要な要素となる。文学部は実は実用的な学部だったのかも。

・知識スパイラルを動かすのは、組織の意図=戦略、メンバーの自律性、外部環境と内部環境の境界を行き来するゆらぎと創造的カオス、意図的な情報冗長性、最小有効多様性の5つである(pp109-128)。



<その他>
・日本発のビジネス理論が、西洋で学ばれると知ってうれしいです(その筋ではかなり有名な本とのことです)。一方で、この理論への反論の書かれた論文を読んでみたいと思いました。一読してごりらが感じたのは、高度経済成長を背景に、日本の年功序列制度とジョブローテーションによるゼネラリスト育成がこの知識創造を可能にしたのだと思います。したがって、うまくいかない時期(会社の立ち上げ期、衰退期)への対応や、この知識創造を可能にする人事戦略について掘り下げてみたいと思いました。





今日のインプット

■FP3級 1時間
■読書 1時間35分


FP3級は、問題集縦串(金融資産運用、タックスプランニング)。読書は、拾い読みとまとめ作成。

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