2016年5月5日木曜日

『赤緑黒白』

森博嗣(2005)『赤緑黒白』講談社


<きっかけ>
・書店で見つけて久しぶりに読み返してみたくなった。



<読む前に期待したこと>
・おしゃれな表現があったら英語にして自分で使えるようにする。



<実際に読んでみて>

さて、
こんなご託を並べるのにも少々飽きてきた。
あるいは、この物語を書き留めることにも。
この継続が、少なからず私に落ち着きを失わせつつある。しかしもちろん、それと同時に、子供のころからの憧れである永遠へ向かう持続への思慕が、私をどうにか支えているかもしれない。今度ばかりは、この私にも全うできるかもしれない、となるべく考えないように、しかし意識はしている、そんな微妙な立場、いうなれば生半可な位置を私は彷徨っているのだろう、と分析する。
ここが私の場所だ、と気づいてはいる。
山の頂上に石を積み上げるように、その一つずつに意味があってほしい。それが、人の望みというもの。
崩れてもよい。
願わくば、それを私が見ていないときに、崩れてほしい。
そんな矮小な奇跡的な我が儘に、私たち人間の生は支えられているのだ。
きっと、
この物語は、誰かの人生を語り継ぐためのものではない。
単に、手に取った石を、そこに積み上げただけの行為。
だから、
いずれは、崩れるだろう。
私が立ち去ったあとに崩れることを期待している。
フォローはない。
それだけの存在だ。
(pp16-17)


(ごりら訳)
Now, you might be bored with my long lecture.
Or I might be bored with writing down this story.
My continuous work makes me feel more and more anxious. It is true that I could say I have something to live for when I'm yearning after the continuity for good. Except in this case, this work is setting my expectation to complete while I intend not to expect too much. I reflect that I'm floating in the delicate position or uncertain status. It has came to my attention how I'm moving.

One wishes that everything would have searched for a meaning even when he or she heaps up stones.
It is natural that they give way.
But hopefully the stones give way by themselves without my being aware.
Such a undersized and miracle hope contributes to something to live for.

Perhaps, this story was not written for me to transmit the story of someone's life by word of mouth.
It's just an action to heap up stones.

Therefore,

stones will give way sooner or later.

They are expected to give way.
There should be no interpretation.
That's all.




人は赤色を作り、赤色を集める。
人は緑色を作り、緑色を集める。
しかし、
それらは、人間が生まれるまえからあった。
赤も緑も、その中間も、ある。
自然はいつも連続している。
人は黒色を作り、黒色を恐れた。
人は白色を作り、白色に憧れた。
しかし、
それらは、人間が滅びたのちにも残るだろう。
黒も白も、その中間も、残る。
宇宙にはいずれも存在し続ける。

いったい、
人が生きている間になすことに、どれほどの意味があるのだろう?
そんな丸い小さな溜息を、私は蒐集しているのかもしれない。
(pp21-22)


(ごりら訳)
The red was made once upon a time, and then we prefer to collect it.
The green was made once upon a time, and then we prefer to collect it.

However,

the red and the green have existed before we recognize them.
The red, the green and the middle of them exist as well.
Natural entity is always here and there.

The black was made once upon a time, and then we are scared of it.
The white was made once upon a time, and then we worship it.

However,

the black and the white will exist after human beings are extinguished.

God knows the point of our living is.
Such a sigh in the form of round and small stone might be collected by me until I die.




「ご苦労でした」紅子は首を傾けて言う。
「おやすみなさい」保呂草は紅子の手を離す。
紅子は背を向けて、遠ざかる。
しかし、数メートルほどのところで立ち止まり、振り返った。
「また、会えますか?」彼女は聞いた。
「紅子さんが、そう思えば、いつだって」保呂草は答える。
彼女は頷く。
「じゃあ、さようならは、やめておこう」紅子は最後にそう言った。
無音。
ここは宇宙。
無言亭の灯りが遠くに見えた。
銀杏の樹は闇と同化し、同色の天空とも境界は曖昧だった。
僅かな光が、しかし白い彼女の姿を照らし、それが惑星の運行のように精確に遠ざかっていくのを見送った。
保呂草はしばらく、銀河系の女王の後ろ姿に見とれていた。
見とれているのは、今に始まったことではない。
この宇宙の欠片ともいえる夜でさえ、
今に始まったものではないのだ。
(pp560-561)


(ごりら訳)
"I know you have been working so hard today." said Mrs. Venico with inclining her head.
"Good night" Horokusa let her the hand of her.
When Venico was leaving with her back to him, she stopped and turned around.
"Is there any chance of a reunion?" she asked.
"Whenever you hope, I'm willing to" he answered.
She nodded.
"So, I would not say good bye." she said then.

Silence.
Here was the show in the universe.
The indistinct light of Mugon-tei was seen.
A gingko tree seemed to fit in the dark and the dark and the sky cannot be told.
Horokusa saw the feeble light casted over her white image and vanishing as if it had been a motion of a planet.
Horokusa admired the shine of the queen of the Milky Way.
But it was hardly new that he admired her.
Also, tonight, the part of the university,
began a long time ago.



<その他>
・訳すのが難しかったですが、答えがないからこそ面白かったです。




今日のインプット

■FP3級 30分


FP3級は、問題集縦串(タックスプランニング)。

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