2016年6月4日土曜日

『起業のファイナンス』

磯崎哲也(2015)『起業のファイナンス』日本実業出版社



<きっかけ>
・資金調達の仕事をしていて、関連する知識を持っておきたいと思った。


<読む前に期待したこと>
・金融機関に対して、逆に提案できるような資金調達の方法がないか知る
・創業赤字の会社が、投資家に対してどんなストーリーを話すことで我慢してもらうか知る
・自分がスタートアップの会社を買収する側になったとき、気をつけることを知る
・その他、資金調達する際に調達先との交渉で気をつけることを知る



<実際に読んでみて>
・シリコンバレーでは、対象となる会社を定めてM&Aをされることを目的として設立される会社もある(LOC684)。そういった会社は、買取価格が上がるような施策を短期間で行うだろうから企業買収の際には、設立の経緯を確認したい。


・一見すると普通の企業であっても、反社会的な団体であることもあるため、素性の分からない人を株主や取引先にしてはならない。上場審査ではねられることがある(LOC834)。企業買収の際にも気をつけたい。


・少し事業がうまくいくようになると、ベンチャーキャピタルや証券会社からは、早く上場するように薦められるが、事業自体に成長性がなければ、言うがままにされて、企業価値を最大化する機会を逃す可能性があるので注意(LOC856)


・金融機関に勤めていた人は、経営計画を作ったり経営管理をするのが得意な人が多いが、どんな起業が向いているのかわからないことが多い。そんな人にはアドバイスできることはない(LOC1083)。逆に言えば、金融機関の人は経営計画を見たり経営管理をするのは得意ということなので、今度からその得意なところを教えてもらうようにしたい。


・事業計画書についてはEXECUTIVE SUMMARYを最初に持ってくる。次に、会社概要、外部環境、数値計画、検討している資金調達の概要や資本政策を入れる(LOC1735)。今まで自分で作ったときは、「外部環境」と「検討している資金調達の概要や資本政策」が不足していた。


・数値計画で、今まで作ってきた経営計画で具体的でなかった箇所を記載する(LOC1755)

広告費・販売促進費
人件費
賃料


・投資家に事業計画をプレゼンする時は、投資家の目線になって、CF、企業価値を中心とした情報を盛り込む(LOC1985)。


・事業計画には、業界内での競争が将来どうなるかを記載すると説得力が増す(LOC1985、1995)


・投資家の前では、「企業の価値はカネじゃない」とは言ってはいけない(LOC2043)。言ってしまったことがあったような気がする。


・事業計画を策定する際には、一人当たり売上高や原価率といった上場企業の財務データを部分的に活用することがお勧め(LOC2201)。海外であっても活用してみたい。


・投資家はexitから逆算し、株式は権利を細かく分割したものと捉える。投資家向けの資料にはどうやってexitできるかを盛り込む(LOC2337-2356)。また、投資をうけているファンドは何年期限があるか、どういった業種、段階の企業に投資をしているのか、担当者は何年くらいで異動になるのかを知っていることで計画が立てやすくなる(LOC3791-3801)。


・提出資料に間違いないことの「表明および保証」が重要となる。最近は反社会的勢力に関係していないことも盛り込むのがトレンド。企業買収も気をつけたい(LOC3910)。


・日本では、優先株式を発行している場合、登記で明らかにされる。逆に言えば、海外では登記で明らかになっていない場合があるということだ(LOC4313)。


・企業の利害関係者にとっては、将来CFを最大化することで企業価値が最大化されるのがよい起業となる。創業赤字の会社がシステム投資を行うときは、目先の利益を追いかけるよりは、将来CFが増えることを説明するのが財務的な説明ということだな(LOC4458)。




<その他>
・周りで起業する人が増えると、自分もできるかもしれないと思い、実際に挑戦する。その挑戦を見てまた別の人が起業する・・・・・・という刺激の連鎖がシリコンバレーやボストンで起きている(LOC403)。わが身を振り返ってみると、まさにそう思う。海外で働いてみて、起業している人と接触する機会が多く、自分もできるかもしれないと思ってしまう。


・投資家に見せる経営計画は、「野望」の部分と、「常識的」な部分に分けて考える必要がある(LOC1855)。確かに、いつも社内予算比の入った資料を金融機関の方に見せてもいいの迷っていた。


・福利厚生費は人件費の14%が普通というのは、基準として助かる情報だった(LOC1871)。


・1億円の当期利益が出ていて、PERが20倍くらいとなる投資が集まった結果、時価総額が20億円くらいになるのが日本で上場できる最低のライン。これも役に立つ基準だった(LOC1965)。


・投資契約書では、「提出された財務諸表は、一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠されて作成されている」と記載されることが多いが、公認会計士のチェックを受けていない場合は、「重要な点について誤りはありません」程度に書いておくのが実態に即している(LOC3910)。


・コンサルタント出身の頭のよい社外取締役を招聘しても、そういった人は、10回に1回しか成功しないものの、リターンが100倍のプロジェクトには反対する傾向がある(LOC4498)。社外取締役にイノベーションを推進する役割を期待することは難しいかもしれない。


・日本では、取締役はたたき上げた人の勲章といった位置づけだが、米国では、株主の代理人が取締役で、事業は執行役が行う(LOC4618)。その場合、機密情報を少数の人に開示しながら経営をスピーディに進めることが求められる。日本の取締役会も米国スタイルに将来なるだろうとごりらは予測する。


・KINDLEで読みました。使い勝手については、また今度まとめます。







今日のインプット

■読書 1時間35分


読書は、拾い読みとまとめ作成。

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