2016年7月16日土曜日

『会社の値段』

森生明(2014)『会社の値段』筑摩書房


<きっかけ>
・M&Aの本を探していたら、アマゾンからお勧めされた。


<読む前に期待したこと>
・企業価値の価格算定にあたって下記以外に考慮すべき点を知る

○会社の成長性
○割引率
○フリーキャッシュフロー

・もしネガティブな情報(反社会的集団との取引、不正会計)があった場合、どうやって買収価格に反映させるか知る。
・金融機関の企業価値の計算方法を知る
・企業買収において注意すべき点を知る。



<実際に読んでみて>
・買収における企業価値の算定において、企業同士の株式持合いの水増し効果により、実態よりも高い株価が維持されている可能性があるため注意する(LOC1662)。


・転換社債を発行している会社の場合は、現在のバランスシート状は負債であっても、株式に転換された場合、既存の株価が希薄化されることがあるので注意(LOC1698)。


・「もたもた調査していないで早く決めてくれ、値段は割り引くから」などと売り手が言ってくる場合は要注意(LOC2171)。



<その他>
・米国でITT(国際電話電信会社)王国を築いたハロルド・ジェニーンというプロ経営者が、M&Aを多用したらしい(LOC630)。彼の回想録である『プロフェッショナルマネージャー』を読んでみようと思った。

・「企業価値」の英訳に注意(LOC745)

社会全体の中で会社が果たす価値 = 企業総価値Enterprise Value
株主や投資家にとっての価値 = 株主価Shareholder Value


・経営に自信がある経営者は、51%の株式買取ではなく100%買収する(LOC1909)。売り手にとっても、プレミアムが高すぎてM&Aが破談になり、企業価値を高められない経営者の下で経営をすることになると、買い手、売り手、従業員の3社にとっても不幸せになってしまう。


・実は、企業価値の数字は後から出すもの、というのは驚きだった(LOC2089)。社長の直観を検証し、社内のメンバーや株主を説得し、相手との交渉の材料として使えるものにするのが、DCF方式の役どころとなる。それゆえ、「M&Aの価値算定は価額ではなくアートである」と言われる。


・米国におけるM&Aの攻防戦は、「株主価値を最も引き上げるのは誰か」「誰に経営を任せるのがより株主にとって利益があるか」という一貫した座標軸の上で展開される(LOC2342)。今は抵抗もあるだろうけど、日本も同じ路線になると思う。


・敵対的M&Aを仕掛けられた場合、第三者的中立者からなる企業価値評価特別委員会を設置して検討するスタイルは、米国の会社がほぼ採る手順である(LOC2370)。





今日のインプット

なし

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...