2017年10月15日日曜日

どんな組織に多様性は必要ないか

英検スピーチの素です。英検1級の2次試験で問われそうなテーマについて、考えたことを英語で書いてみました。



<きっかけ>
<日本語で考えたこと>
<英語の構成>
<英語でまとめ=スピーチ原稿>
<その他>



<きっかけ>
人材の多様性を意味するダイバーシティのブームが来ています。背景の一つは、外国人株主の割合が高まってきていることだと考えます。1990年は8%程度であった上場企業の外国人株主の割合は、2015年には30%を超えています(出典:財政総合政策研究所)。


外国人株主が求めるのは、経営の透明性です。彼らにとっては、ご褒美ポジションとして与えられる相談役や、生え抜き社員だけで構成され適切な緊張感のない取締役会は、壊すべき存在でしょう。経営の透明性を高めるためには、多様性な人材がいることが大事です。社内だけで通用するルールや阿吽の呼吸を理解しない外部の人間をあえて経営陣に入れることで、異質なメンバーとして、株主の利益を損なわないような抑止力として期待されているわけです。


取締役会をはじめとする経営幹部の多様性に加えて、もう一つの背景として挙げられるのは、人口不足を補う意味での多様性です。内閣府の見通しでは、日本の人口は2048年には1億人を割るとされています。このような環境では、さまざまな事情から今は活躍できていない女性が働きやすい環境を整えたり、定年を迎えたもののやる気も技術もある高齢者、日本で働きたい外国人を会社に受け入れる整備が必要となります。


以上の、取締役会レベルでのダイバーシティと、中間管理職レベル・担当者レベルのダイバーシティのブームが来ています。しかし一方で、必ずしもダイバーシティは必要ない組織もあるのではないかと思い、考えてみました。



<日本語で考えたこと>
どんな組織でダイバーシティが必要ないか書き出してみて、それらを分類してみたところ、3つに集約できました。


一つ目は、定型業務だけを行う組織です。工場のラインや、銀行の窓口では、定められた手順で効率的かつ正確に物事を行うことが重要です。どんな改善ができるかといった問題意識をもって作業を進めることは重要ですが、バックグラウンドの異なる新人に対して、既存のやり方を教えるたびに疑問を口にしたり、改善提案をされたら、仕事が進まなくなります。「とりあえず実績を出してみなさいよ。そのうえでなら話を聞いてあげる」と多くの先輩は思うはずです。


組織において、ある慣習ができるには、その時の背景にまで遡って考えなければならないため、定型業務を行う組織において、何も知らない外部から来た人間の思い付きは、多くの場合的外れです。このような組織は、その組織の人が冷たいというわけではなく、構造的に多様性のある人材を歓迎していません。


二つ目は、会社を立ち上げる時と、会社を畳むと決断した時の組織です。創業期では、商品の数も展開するエリアも限られているため、スピードがとにかく大事です。とにかくP/Lのトップラインを高めることで、社会との接点を増やすことができます。このような、管理すべき指標が少ないうちは、強いリーダーを周囲が素早くサポートする仕組みのほうが、経験的にもうまくいく気がします。同様に、会社を畳む際も、畳むと決定した以上は、斬新なアイディアやブレーキ役となるような意見は必要ありません。この例においても、組織の構造として、ダイバーシティは必要とされていません。


三つめは、外部環境に変化が乏しい場合です。急激な環境の変化に対応するため、多様な意見を取り入れる組織を作ることはあると思います。一方で、いままでのやり方でうまいくいっている環境や、法的規制で守られている環境において、異なる背景のメンバーを入れても、組織の効率性や生産性は、少なくとも短期的・中期的には落ちると思います。


出典は忘れてしまいましたが、統計的には、多様性のあるメンバーのいる組織の生産性は、同質性の強い組織と比べ、非常に高くなるか、非常に低くなるかのどちらかです。自分の組織が本当にダイバーシティが必要なのか、考えてから導入する必要があると思います。


本論には関係ありませんが、トップがダイバーシティを増やそうと旗振りを進めていても、そのダイバーシティの質とは何かについても確認しておくことは重要だと思います。一概に「多様性を入れたい」と言っても、どんな効果を期待してどんな多様性を求めているのかを、前もって考えておく必要があります。たとえ多様性が必要であっても、性別のダイバーシティなのか、国籍のダイバーシティなのか、年齢のダイバーシティなのか、それともキャリアのダイバーシティなのか、人によって考えていることは異なるからです。



<英語の構成>
結論:3つの場合において多様性は必要ない
場合①:定型業務を行う組織
場合②:創業期、撤退期の組織
場合③:外部環境の変化に乏しい組織
まとめ:自分の組織で本当に多様性が必要か考えるべき



<英語でまとめ=スピーチ原稿>

   Although diversity is important in many organization, I think there are three cases where an organization should have homogeneous members.

   First, an organization meant to handle routine work does not seem to need diversity. I would rather point out that the organization composed of homogeneous members perform more efficiently in this case. The production line in a factory is a good example. The more homogeneous its members are, the more efficiently the reporting line works as a result of everyone’s having the similar background and thoughts.

   Second, the firms in initial and final stages should not be hungry for diversity.  In the initial stage, what is necessary for an organization is speediness. The founding members are supposed to take a quick action to once the basic principle of a firm is designed. Officers who voice the question are not welcomed in this stage. When I was working in a developing country, our organization consists of management members from three countries. As a result, the slowness in decision making was found to be a weak point of our company within a changing environment. For the same reason, the firm does not need a diversity in the last stage of the company.  

   Third, parties facing little change in environment do not require heterogeneous members. If there is no threat of new entrants in a certain environment, it is hard to imagine that the firms inside this industry have to change its business custom. If there is no need to change, there is no need for heterogeneous members.

   In conclusion,  it is not always necessary for an organization to have diversified members especially in the case where they deal with routine work, when they are in initial and final stages, and when they are in stable environment. It is important for Japanese firms to ponder whether they should flow with the tide of diversity.



<その他>
・他のスピーチの素はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...