2017年10月8日日曜日

裁判員制度の課題

英検スピーチの素です。英検1級の2次試験で問われそうなテーマについて、考えたことを英語で書いてみました。



<きっかけ>
殺人事件の審理を裁判員制度で行う『12人の優しい日本人』の舞台版を久しぶりに観て、裁判員制度について考えてみました。



<日本語で考えたこと>
2009年5月から開始された裁判員制度では、今まで一人の専門家だけで決めていた判決を、国民を巻き込むことで冤罪の可能性を減らすことが期待されています。冤罪を減らすことは重要です。しかし、多くの国民を巻き込むことで得られる便益と、犠牲になる費用を考えたとき、現状、法的知識も乏しく、心理的・時間的な負担の覚悟が薄い一般国民を巻き込むことで得られる便益は多くないように見受けられます。また、今のところ多くの国民を巻き込むことに成功しているとは言えない状況です。


何かを決めることには、責任が伴います。責任には、なぜその決断をしたのかという理由の説明責任であったり、成功するまで続ける遂行責任であったり、うまくいかなかった場合、うまくいくようにする改善責任があります。


裁判員制度では、一般市民を裁判に絡ませることで裁判の公平性を高めることを目的としておりますが、ランダムに選ばれた裁判員に、決断に伴う責任を負わせるだけの準備はまだできていないと思います。


2013年には、福島県の女性が強盗殺人事件の裁判員になったことで、死体のグロテスクな写真を見ることとなりPTSDを発症してしまいました。2016年には、福岡県で行われた暴力団幹部の裁判で、組員が裁判員に対して「よろしく」「顔を覚えた」などと声をかけるといった事件が発生しました。


裁判員制度は、多数の意見を尊重する民主主義の仕組みと相性がよさそうですが、そもそも民主主義を成り立たせる前提も、国民全員が政治に対して勉強を続け、全員が参加することを前提としています。裁判員制度でも、(非難しているわけではなく)覚悟も専門知識もない一般市民が、専門家である裁判官に敵うはずはありません。このエリアについては、餅は餅屋、ではないかとごりらは思います。


国民の参加を促し、裁判官の恣意的な判断をモニタリングすることにより、結果として公平性を高めることを目的とした裁判員制度でしたが、辞退率が下がっていることも見逃せません。























※出典:NTTデータ経営研究所


半分以上の人が辞退しており、6年連続で辞退率が上昇していることがグラフから分かります。これでは、とても言いたいことがある人しか集まらないのではないかと危惧しています。裁判員制度のそもそもの目的は、一般的な感覚をもった、サイレントマジョリティを集めて意思決定に繋げたかったのではないでしょうか。



出席率も減少しています。




























※出典:同上


ただ、問題があるからといって、ごりらは止めてしまうべきとは思っていません。上記の福島県の例では、残酷な写真が出てくる場合は事前にアナウンスが出るようになってきましたし、暴力団員の件は、今後、途中で緊急辞退したり、裁判員ホットラインのような仕組みを作ることで回避できると思います。出席率や辞退率の低下問題については、いっそのこと、納税や教育と同じように強制にするといった対策が考えられます。




<英語の構成>
結論 → 理由①② → 結論



<英語でまとめ=スピーチ原稿>
  In my opinion, the lay judge system in Japan is not completely beneficial for two reasons.

  First, lay judges are less ready to make judgment than professional judges are. In 2013, a female lay judge suffered PTSD as a result of seeing grim pictures of a victim.  It can be seen from this example that it is not a good idea share the special public role which requires people to take a firm resolution. Another example is that in 2016 a member of a crime syndicate threatened a lay judge outside a court to receive a favorable verdict.  Although laws are designed to protect people, it turned out that the lay judge system in Japan exposed people to a risk.

  Second, statistics show that the lay judge system in Japan does not function well. The percentage of declination of being a lay judge has been increasing for seven years in a row. In addition, the attendance ratio has been decreasing since 2009. It can be seen from these statistics that the demand that the lay judge system enhances the awareness of judges and fairness through monitoring the judges is less and less fulfilled.

  In conclusion, there is a room to improve the lay judge system in Japan for those two reasons. Without any change, the lay judge system would lose substance. 



<その他>
・組み立てについては、佐野雅子『英検1級 二次試験対策 2分間スピーチ』を参考にさせていただきました。
他のスピーチの素はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連記事

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...