2017年10月7日土曜日

『ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」』

川村隆(2015)『ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」』角川書店


<きっかけ>
・ラストマンという言葉は、川村さんが日経新聞の「私の履歴書」で使われていたのに影響を受け、規模は小さくなるものの、海外勤務時に自分でもラストマンだと感じる経験があった(この記事)。それ依頼、川村さんの講演に行ったりと、興味を持っている元経営者の一人だった。

・会社を変える際に、どんなマネージメントが必要になるのか、興味があった。2009年3月期7000億円の赤字を出した後、日立を川村さんがどうやってV字回復させた手腕に興味があった。



<読む前に期待したこと>
・会社を変革する際、大きな抵抗に合うことがあると考えられるが、何から、どうやって始めるかを知る。



<実際に読んでみて>
・日立時間と揶揄された、意思決定から実行までの時間を短縮させることを目的に、意思決定を早くする仕組みを取り入れた。状況が不確定でも時間を区切って意思決定するようにした(pp29、70)。

・時間短縮の一環として、意思決定において、関係者全員が満足することをあきらめた。社長とその近辺の5人のみで経営の意思決定を行うようにした(pp31)。

・カンパニー制を導入し、健全な競争を促進した(pp45-47)。ということは、カンパニー制して、B/S,P/Lで各カンパニーを把握できるシステムを持っていたということになる。システム投資ができる資金力と、システムを要件定義してリリースし、使いこなせるバックオフィス部門が強いと感じた。

・グローバルな感覚を持つ社外取締役を招き入れ、コスト削減が不十分で依然として収益性が低いといった、耳の痛いことも言ってもらうようにした(pp66-68)。穿った見方をすれば、社外取締役を悪役に仕立て、さらなるコストカットの遂行を進めたかったのかもしれない。

・平時の構造改革は、正念場での構造改革と比べ、社内の抵抗勢力を抑えるのが難しい(pp88-90)。



<その他>
・グローバルで戦うリーダーは、機能性重視の合理的な仕事の運び方の中に、ほんの時折、人間性が強く見える瞬間があるリーダーが望ましい(pp209)。

・2010年の日立V字回復の背景には、キャッシュフローを改善させたことがあるのではないかと思い、現金回収日数を調べてみたが、川村社長・会長就任時より大きな差異は見られなかった。むしろ増えている。
■現金回収日数の推移












結果として売上債権回転日数の長くなる、産業財の販売に注力した結果なのではないかと考える。


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