2018年6月3日日曜日

『マーケティングとは「組織革命」である。』

森岡毅(2018)『マーケティングとは「組織革命」である。』日経BP社

<契機>
<初期仮説>
<調査事項>
<調査考察結果>
<その他備忘>


<契機>
・著者がNHKの「プロフェッショナル」に登場しているのを見たことがあり、興味を持っていた。
・日経新聞に著者のインタビューが掲載されており、外部から招聘されたプロが組織の既存メンバーを巻き込みながら高いパフォーマンスを出す過程に興味を持っていた。


<初期仮説>
・プロ・マーケターとして、P&GからUSJに2010年に入社した著者は、深い知識と幅広い実務経験を持っていた。ただ、一部長クラスで入社したUSJで変革を起こすためには、失敗を重ねながら自分の提案を通しやすい環境を構築したはず。
・これらの合意形成のプロセスを学ぶことで、専門性や規模で小さいながらも同じような環境にいる自分に適用できることがあるはず。



<調査事項>
1.USJに入社した著者は、どのように努力して自分の提案を通しやすくしたのか。
2.その過程で、どんな失敗をしたのか。
3.自分がそこから学んで、実務に活かすことができることはあるか。



<調査考察結果>
1.努力したこと
・USJの商品開発部門にあたるエンターテイメント部門やクリエイティブ部門をマーケティング本部の直下に配置し、「作ったものを売る」から、「売れるものを作る」体制を構築した(pp61-62)。

・社内SNS上のメッセ―ジには、一つ一つ丁寧に返事を行い、アルバイトのクルーもプロとして対等である姿勢を示した(pp93)。

・上下関係がないことを示すため、部下からのお中元やお歳暮は全部送り返した。また、バレンタインデーのチョコも、本命以外は送らないように通達を出した(pp95-96)

・社長から権限移譲してもらい、オープンな意思決定の場を新しく作った。その場では、横串でメンバーを招集し、新規プロジェクトについてサービスローンチから逆算して定期的に議論を行った。アクション・サマリーは24時間以内に配信され、人を動かすことに重点を置いた(pp135-139)。

・相対評価を導入することで、競争意識を働かせ、ものが言いやすい風土を醸成した(pp142-146)。

・社内マーケティングのフレームワークを活用した(pp181-281)。
①組織文化の理解:
 →審判は必ずしもフェアではないと理解すべし
②目的:
 →提案の成否は、組織全体の目的や戦略に適合するか考えるべし
 →目的が分からないときは、上司と目的を共有するところから始めるべし
③誰に
 →意思決定者、合意形成の重心となる人物、提案を潰せる人物を把握すべし
④何を
 →実現可能性を段階的に示すべし
 →提案にやりがいを盛り込むべし
⑤どうやって
 →自分の言いたいことが、相手の聞きたいことのように話すべし
 →相手のスタイルに合わせて対応を変えるべし

2.失敗したこと
攻撃型のコミュニケーションは組織のパフォーマンスを落とす例として、P&G時代に同僚を電話で詰めて病院送りにしてしまった経験が記載されていた(pp268-269)。

3.自分に置き換えると
・自分の言いたいことを、相手の聞きたいことに合わせて話すというのは、意識してできていなかった点だった。考えてみれば、ビジネス以外でも必要な視点だった。
・上司は役割であって、単なる機能であると心得る。部下に対して偉そうにしないのは自戒としたい。
・アクションサマリーには、①会議の目的 ②会議の結論 ③結論に至る主な理由 ④結論に基づく行動設定 を盛り込む(pp139)。アポイントの議事録はこの4つを主な章立てとして作成したい。
自分が主導するプロジェクトは、可能であれば評価制度や組織作りからデザインできないか検討してみる。



<その他備忘>
・「人が緊張感なくラクに過ごせる組織は遠からず滅びる」(pp42)というのは、読んでいて耳が痛い話だった。適度な緊張感を上司として作り出せるようになりたいと思った。

・著者は、会社の組織は、人体組織のようだと述べる(pp78-81)。各臓器が上下関係ではなく、明確な役割による共依存関係で繋がっているためだ。このたとえはうまいと思った。上司は機能として意思決定をするのであって、立場が上ではないという考え方は、今の職場でもフィットする考え方だと感じている。




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